Ⅰ,創業にあたって

1.創業の意思決定(夢を持つ)

事業を始めようとする際に、必要なことは、『何のために事業を起こすのか』。それが、『自分にとってどのような意味をもつのか』を明確にしておくことです。
なぜならば、楽しいことばかりではなく苦しいことも時として発生するからです。
むしろ、苦しいことの方が多いのです。そのような時、『自分は○○のために事業を営んでいる』といった強い信念がないと、途中で事業を投げだしてしまうことがあるからです。
そのため、まず自分の人生設計を明確にし、従業員にも熱く語れるような壮大な夢を持つこと、そして、その夢の実現が事業経営の目的であり、経営理念となるのです。

2.目標・方針の決定

創業の意思が決まったら、具体的な目標・方針を決めましょう。
目標とは、目的と違って『いつまで』『どのくらい』『どのように』といった具体的な数値が必要です。また、その目標を達成するためにどのような方法で実現するかを示すのが方針です。
よく聞く話ですが、『売上げを上げろ、がんばれ』と言う上司のもとで、『がんばりましたが、なかなか難しいです』と答える部下がいますが、お互いに具体的な目標がないために起こるむなしい会話なのです。このようなことがないように目標を明確な数値で表して行動するように心がけましょう。

3.経営戦略の立て方

経営戦略とは、先に決定したあなたの会社の経営理念や目標を環境変化に適応しながら効率的に達成するために、自社の経営資源(人、モノ、金、情報等)をどのように活用するかを決めるものです。つまり、将来にわたる環境の変化に対応して自社が成長するためにどのような市場に対してどのような製品を提供し続けることが重要であるかの方策を検討することなのです。

 〈戦略の立て方〉

  1. ターゲットを明確にする。(だれに売るのか?)
  2. ターゲットに合った商品を提供する。(何を売るのか?)
  3. 販売方法を明確にする。(どのように売るのか?)

4.経営管理が必要

高度成長期には、経営管理活動を行っていれば会社経営はスムーズに行われていたと言われています。現在は前述の戦略なくして企業経営はできません。しかし、戦略構築の後には現在でも経営管理活動が必要なのは言うまでもありません。
経営管理活動とは、計画―組織―動機付け―統制と調整のサイクルで運営することです。

 

計 画
目標を決め、スケジュールを明確にしてください。

組 織
だれが担当して、何をするのかを明確にしてください。

動機付け
従業員にやる気をもってもらうため、労働条件やルールを明確にしてください。

統 制
計画と実績の差異分析を行い、標準化するようにしましょう。

調 整
各部門や取引先と話し合いや根回しをしてください。

5.開業準備

夢の明確化
開業の決意
業種・業態の選定
専門知識・情報の取り入れ
立地の選定
店舗探し・店舗の比較・検討
方針の明確化
開業の最終決定
店舗の決定
具体的な開業準備
開業
開業の届出
開業後の部分修正
 自分自身の夢が明確になったところで、独立開業に向けての準備の開始です。大切なことは緻密な計画と迅速な行動、綿密なチェックです。
 開業準備で最も大切なのは、いつから事業を始めるかを決めることです。諸計画は、開業の予定日から逆算して計画をたてます。もし店舗が必要であれば、店舗設計や工事計画も立てなければなりませんし、業種によっては事前に許認可の取得も必要です。
 左のような開業までのプロセスを検討しましょう

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